アラミド繊維シートとエポキシ樹脂を用いてひび割れた基礎を補強 高砂市Y様邸(基礎補強工事)
基礎補強工事(森多)
キッチン・内装リフォームが完了し、次は基礎補強工事に取り掛かります。
<高砂市Y様邸・これまでの現場ブログ>キッチンの取り替えと和室の内装
床下から見た基礎の状態です。コンクリートにひび割れが発生しています。
鉄筋コンクリートの基礎にひびが入ると、そこから空気や水分が入って鉄筋の腐食が進み、コンクリートを弱らせます。
ご主人がモルタルを塗って補修されていましたが、それでは追いつかないので特殊な工事をさせていただくことに。
その特殊な工事というのは・・・エポキシ樹脂とアラミド繊維シートを塗布・張り付けることで基礎を補強します。「アラミド繊維」は鉄の5倍の引張強さ(ひっぱりづよさ)を、「エポキシ樹脂」は樹脂の中でトップクラスの接着力を持っています。
基礎や耐震の問題は特に大事なところですが、住みながら工事をするとなると方法が限られてしまいます。しかしこのアラミド繊維シートを使った工法は信頼性が高く、高速道路などの公共工事にもよく用いられています。
※従来の基礎補強は、既存の基礎に沿って新しい基礎を作る「打ち増し基礎」が一般的でした。この方法は大きな重機が必要で、工期やコストも多くかかります。
補強のためにと、ご主人が外部に分厚いコンクリートの塊を付けていらっしゃいました。今回の工事の妨げになるので、細かく砕いて処分します。
基礎が半分ほど土に埋まってしまっているところもありました。本来は出ていないといけないところまで隠れていて、更にそこに木が植えられており水が流れ込むようになっていることが、基礎を劣化させた原因のひとつと考えられます。
土を掘り起し、木を撤去しました。
埋まっていた基礎には大きなひび割れがありました。
庭に設置されていたサンルーム。基礎に被っていてこのままだと工事できないので、一旦床を解体します。
サンルームの骨組みだけ残しました。
サンルームが付いているところの基礎にもひび割れが見受けられます。テープを貼って養生しました。
はじめに下地処理を行いました。
ひび割れ部分にエポキシ樹脂を注入。
↑黒のところは、樹脂モルタルを塗って補修したところです。
アラミド繊維シート用の下塗りをしました。
家の中の床を一部めくって・・・
基礎の内側にも、同じように下地処理と下塗りを施しました。
アラミド繊維シートを張りました。
通気口まわり。
エポキシ樹脂の強い接着力で、基礎にしっかりとくっついています。
最後は左官で仕上げます。
完成です。
通気口には新しいフタを付けました。
サンルームの床を作り直します。
ベニヤ板を張りました。